自分がじゃがたらに出会ったのは2002年の後半だった。その前も実はじゃがたらに出会ってはいる。中学生の頃に読んでいた「宝島」誌に載っていた小さい記事のスキャンダラスな５バンドみたいな内容の記事の中に書いてあったのを読んだのが初めての出会いだった。スターリンの遠藤ミチロウなどと共にVo.の江戸アケミのスキャンダラスな側面がとらえられていて当時あまり興味がわかず記憶の隅に追いやられていた。
2002年の後半に出会ったと記述した理由は本気で音に興味を持ったのがそのときだったからである。確かFela Kutiの情報をネットで検索していたときにたまたま引っかかって出てきた記事にじゃがたらの音がFelaのそれに似ていると言う関連の記事だったと思う。Acid Jazz ~ Rare Grooveの流れの中で10年ちょい前にFela KutiのAlbum"He Miss Road"に出会って以来10年、大好きで聞き続けてきたFela Kutiに音が似ている日本のバンド、じゃがたらに興味がわかないはずがない。その日以来自分の中でじゃがたらに対する興味が日々大きくなってきていた。
その後数ヶ月後にネットで数曲視聴して音質の悪い音を聞いて、その後CDを３枚（南蛮渡来、裸の王様、ごくつぶし）購入して実際の音を聞く事が出来た。その時の衝動といったらFela Kutiを初めて聞いたときなどの衝撃と同じ物が体内を走った。「こんなグルーブがある日本のバンドがいたんだ。。。」それが３枚を聞き終わって思った感想だった。
DJをしている自分が思った事は、じゃがたらの持つグルーブはNYCでいろいろな人種が最高のグルーブで踊っている現場（The LoftやBody&Soul)でかかっていたManu DibangoのSoul MakossaやFela KutiのZonbiやTalking HeadsのI Zimbraなどと同じグルーブが存在していると思った。いろいろ世間一般で言われているアケミの歌詞がどうのと言うのの前に自分にとっては彼らのバンドとしてのグルーブ感の方に刺激を受けた。NYCのシーンというのはジャンルやスタイルなどにとらわれることなく「純粋に踊れるいい曲」がPartyでかかるのが伝統となっていいる節があり、例えは自分が記した"The Loft"の記事を読んでもらってわかるようにいろいろな音楽がジャンルなどに関係なくかかります。じゃがたらの音はそこで通用する音があると聞いて思ったのです。
去年の年末に再発された彼らのドキュメンタリー、「なんのこっちゃい」の３本を購入して見ていてもやはり彼らのグルーブが特出していることを再確認出来ました。動くじゃがたらを見るのは初めてだったのですがスキャンダラスなものうんぬんよりやはり音が強烈でした。フジテレビのライブジャックに出演したときの映像は特筆するものがあり、初め３〜４割のオーディエンスしか踊っていない状態が最後には全員飛び跳ねたり踊っている状態になっているというすごい状態。グルーブがそれだけすごいのを実感出来る映像でした。
そんなじゃがたらも２つの音楽的指向が存在するように思います。一つはFelaなどに代表されるAfro BeatやFunkっぽい曲調とフォークっぽい曲調です。近田春夫がインタビューでじゃがたらのフォークっぽい所は好きになれないといったのがあるのですが自分もそれは同感でやはり聞いていて違和感があります。中産階級ハーレム（それから収録）などそのフォークっぽい側面のじゃがたらのように思います。やはりFelaっぽかったりする曲が個人的には好きです。
そうです、自分的には単純に「いい曲」「かっこいい曲」を彼らが演奏していたのであって、スキャンダラスな面がどうのとかカリスマ性がどうのなどは関係なかったのです。Voも含めた全てがかっこよかったのです。いろいろな言われている情報をまず無視して彼らの音を聞いてほしい。そんな情報で左右される前に自分の耳で試してみてほしい。そうでないと自分のようになかなか聞かないまま時間を無駄にしてしまう気もします。
