Fetch / Moritz Von Oswald Trio (Honest Jon’s Record: PCD93559)
07/06
Basic Channelなどの活動でおなじみMoritz Von Oswaldのリーダーグループ、Moritz Von Oswald Trioの通算4作目(Live盤の”Live In New Yorkを含む)の作品が本作、”Fetch / Moritz Von Oswald Trio”です。
Basic Channelの時のリリースのマイペースぶりから考えるとあり得ないようなスピードでのリリースですでに4作目。ファンとしては嬉しい限りの状況。
Basic Channelとしても知られる重鎮Moritz von Oswaldと、初期アンビエント・テクノ・シーンを席巻したSun Electricなどで活躍したMax Loderbauer、そしてChain ReactionやMax Ernst、Mille Plateauxレーベルなどで数々の実験的な作品をリリースしてきた奇才Vladislav Delayによるダブ音響ユニットのMoritz Von Oswald Trioはこのメンバー構成からまさにスーパーグループです。
Improvisation Minimal Dub Technoといったようなながーいジャンルを付けることが可能な彼らのサウンドは毎回リリースするたびに新しい実験を提示してきましたが、今作もまたまた新しい音響を提示してきてとても面白い作品になっている。
Miles Davisのエレクトリック時代を思わせる音響
今作を聞き込んでまず思い浮かべたのがMiles Davisのエレクトリック期の音の響きにとても似ていると言うこと。
とくに思い浮かべたのが”Get Up With It”や”Bitches Brew”などのMilesのアルバムで、1曲目の”Jam”などはもう出だしからMiles節全快なのである。
即興演奏をしているなどの部分でも共通点が多いが音のエフェクト処理もエレクトリック期のマイルスの雰囲気が出ている。
エレクトリック期のMilesはシュトックハウゼンなんかの音をFunkやJimi Hendrixに混ぜたいという構想があったとインタビューで語っていたのを考えるとMinimal Techno的な音楽を即興性を持ってやるとまさにそんなMilesの音楽と繋がるのだと思った。
良いオーディオシステムで聞くとすごさ倍増
これはMoritz Von Oswald Trioのアルバム全てに当てはまることなんですが、音響面が緻密に練られ構築されており一つ一つの音が違う響きをします。
それは立体的な奥行きのある音でMinimalな音数ながら音の粒が体に入ってくるような錯覚に陥るような音だ。 とくにハットの音なんかはすごい音がしてくる。
このアルバムはそれなりに良い音のオーディオシステムで聞くとそのすごさが何倍にもふくれて体感できるアルバムだ。
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