UKクラブカルチャーの黎明期から常に最重要人物として活躍して新しい方向性を常に示してきたAndre Weatherallの最新Mix CDが本作、”Masterpiece Created By Andrew Weatherall“だ。

UKのシーンの創世記にファンジンとして始まったBoy’s Ownのメンバーとしての活動から常にUndergroundでの活動を中心に行い、歴史的名盤の”Screamadelica / Primal Scream”のプロデュースに関わるなどその活動はシーンの重要部分に関わってきたWeatherall。

その間にはAcid House～Second Of Summer～Manchester Movement～Indie DanceなどのUKの動きに深く関わってきたと言える。 

その後もEmission Audio OutputやWarpなどのレーベルでのTwo Lone Swordsmenとしての活動ではDub, Electronica, Deep Tech House, ロカビリーなどを展開して常に新しい可能性を提示してシーンを本当の意味でリードしてきた。

そんなAndrew Weatherallはここ数年はまたDeep Houseのようなスタイルに戻って来ており、特に遅めのBPM (100~120前後) の楽曲でMixするというBeatdownといえる物を中心に”A Love From Outer Space”と言う箱でDJを行っている。

この3枚組のCDはそんなAndrew Weatherallの最新のMixだ。新譜を中心に3つの時間帯を再現している超大作であり、今のところ彼の最高傑作と言えるMix CDだ。

Disc 1 (Eleven O’clock Drop)は重くならしのような展開

Disc 1はここ数年Weatherallが進めてきたロカビリーと打ち込みの融合と言った感じの楽曲からDubっぽい要素を取り入れた物を中心に選曲して、どちらかというとはまる要素が強めだ。

よく「BPMが遅くなれば遅くなるほどビートの間に入れられる情報用が多くなるために曲としては色々な表現が可能になる」と言われる。まさにこの事がはっきりとわかる所があり、同じビートが続く割には奥深いさまざまな表情が聞き取れる。

これはフロアーではオープニング後の数時間といった展開でこれから徐々にからだが動いていくと言った展開だ。

Disc 2 (Twelve O’Clock Drop)はピークへ向かってゆっくりと

Disc 2は一転抜けたような世界感が広がり、Cosmicな雰囲気の音が並ぶ。

ここではある意味ピークであるCut Copyの”Sun God (Andrew Weatherall Remix)”までゆっくりゆっくりと上げていく。

ここの展開の気持ちよさはDeatdown系の醍醐味とも言え、無理なく体が動いて気持ちの良い展開だ。

Disc 3 (One O’Clock Drop)は上がった後の開放感

Disc 3はもうなんでもあり。乗り越えたのでどんな感じの楽曲でも気持ちが良いと言わんばかりな展開。

Todd Terjeの楽曲で上げるところまで上がってPrimal Screamの楽曲に自身のPartyの名前にまでなった”A Love From Outer Space / A.R. Kane”で閉めるという展開。

もうここまで来ると気持ちよさが最高でこのMix CDが終演する。

しっかりとした展開とPunk感

3枚のDiscを使って一夜をしっかりと再現しており、それが無理なく展開して行くところはさすがである。約3時間全く飽きさせないでどんどん引き込まれていく。

ここまでしっかりと練られて作られているCDはなかなか見つけることが出来ないように感じる。それも三枚組で作ってしまうところがすごい。

また、Andrew Weatherallのどの作品を聞いても感じる事だが、Punk感が感じれる所が面白い。なにかロック的な要素が感じ取れそれがPunk ~ New Waveにあるかっこよさに繋がるのだ。

この作品お世辞抜きに本当にかっこいい作品でここ数ヶ月聞きまくっている作品だ。 

余談だが作業中に聞くと作業に没頭できるMixでもある。 

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Masterpiece Andrew Weatherall – Ministry of Sound
Various Artists
価格： 1,650円

posted with sticky on 2012.7.7

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