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月刊サイゾーの人気連載である「月刊カルチャー時評」の連載に新しく書かれた企画を加えまとめられた2011 – 2012年の総合サブカル評集と言えるのが本作「別冊サイゾー x Planets 文化時評アーカイブ 2011 – 2012」。

大きく見ると映画、マンガ、アニメ、ゲーム、小説のレビュー集となっており、2011 – 2012年にそれぞれのジャンルで何が起こり何が問題かなどが詳しく書かれている。

評論家、宇野常寛氏がプロデュースし中心になって書かれ、それぞれのジャンルにあった評論家を迎え3~4人で座談会から始まりそれぞれの作品を批評していく。

執筆者が総勢60人以上で評論された作品が220作品を超えており、2011 – 2012年のサブカルの状況がこの一冊で網羅できるという面でかなりコストパフォーマンスが良く、一冊で幅広く知れる。 

専門誌でないが故の利点をフル活用

サイゾーが専門誌ではないということもあり色々なしがらみが無いという理想的な状況で書かれている事から普段は言えないような事、書かれないようなことがしっかりと書かれている事がこの本に意味があるところ。

映画、マンガ、アニメ、ゲーム、小説のどのジャンルの専門誌にも広告主や強いつながりのあるメーカーや配給元などなどが存在してそれぞれにパワーバランスや利害関係が存在する。

それらがあることによって本来書きたくてもかけないという「本音の評論はそれぞれのジャンルの専門誌には出来ない」という現状がある。

そんな状況を笑い飛ばすかのようにこの作品ではストレートにそれぞれのジャンルの問題点なんかが書かれているところが面白い。

全体的に読み応えあり。音楽の所は◎

とにかくこの全体のボリュームはすごい。読み応えばっちり。

あまり詳しくないアニメや漫画の所なんかは読んでいると「これ読みたいな、見たいな」と思う作品に多く出会う。漫画の「Hunter x Hunter」なんかは良い例だ。 

個人的には音楽の部分が一番面白く読めて自意識音楽語りや洋楽スノビストの所なんかは納得しながら読めた。

 今の日本の音楽業界の現状を鋭く分析出来ていてAKBとロックを同次元で語っているところには色々共感できる内容が。そして色々評論するときに参考になるような物が多々あった。

サブカル好きな人は是非読んでもらいたい一冊。 

この本はこちらで購入可能です

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