で、いったい何が言いたいの? : ゼロ年代の音楽 壊れた十年 / 野田努, 三田格, 松村正人, 磯部涼, 二木信
07/31
本のレビューをするBlogではないがなぜか新Blogで再開後はやたら感想文Blogと化しています。と言いながらも今回も読んだ本についてのエントリー。
今年に入って色々な音楽雑誌でこの10年を総括する、「ゼロ年代」特集が多く見られますが、今回読んだ「ゼロ年代の音楽 壊れた十年 / 野田努, 三田格, 松村正人, 磯部涼, 二木信」もそういった物のひとつ。
野田努氏や三田格氏らの”Studio Voice”や”Remix”や”Ele-king”などで活躍したライター達によるゼロ年代の総括本で、150枚のゼロ年代を代表する作品のディスクレビュー批評付き。
まず前半の対談部分が垂れ流し状態でうまくまとまっていない。いまいちこの部分が「言いたいことが分かりにくい」構成になっていてちょっと混乱。
文章書く仕事しているのだからもう少しわかりやすく書きなおすなり構成し直して欲しかったというのが率直な感想。
ただでさえわかりにくく名前さえ付かなかったゼロ年代なのでそこら辺を5人集まって独自の解釈を示すなり明確な方向性を示して欲しかった。
前書きに「企画されたものではなく、偶発的なものだ」という下りがあるのでこの羅列的な物はある意味意図したものなのかも知れない。それでもコアになる物がいまいち混乱しがち。
そんな前半に比べて後半のディスクレビューは広いジャンルをしっかりと抑えて面白い評論が読める。ここはこの年代の音楽を知る上でも素晴らしい資料のように感じる。
もう少し時間かけてしっかりとまとめてからの出版をしたらもっともっと面白くなって他の特集記事とは格段に違うものになっていたのでは?
あと政治関連の事に触れているが結構新聞テレビメディアの情報そのままでちょい浅な認識は頂けない。新聞斜め読み程度の認識とあるところで言われていたが確かに間違っていないなと。。。
それでも広告主や変な利権に流されていないで、しっかりと評論が書かれているところは素晴らしい姿勢であり今の雑誌メディアには少なくなっているので本当にもったいない。
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